君に告げよう

本当に、あっという間に時間は過ぎていくんだな。

まるで自分だけが取り残されているような気持ちになる。

何ひとつ変わらない日常の中で、みんな少しずつ進み始めているのに……。



「遼太郎。おまえはちゃんと18で引退するんだぞ」

「うん、分かってる」



チームに入ってから、何度もそう念を押されてきた。

18歳の僕の誕生日でもある、来年の12月21日に引退すること。


それまでに僕の胸の穴は完全に埋められるのかな。

少しは前に進むことができているのかな……――。


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