君に告げよう
「……はい、そうですけど」
「悪いねぇ。ウチは高校生は雇ってないんだ。まったく、大将もちゃんと書けばいいのにねぇ!」
【バイト募集中】とだけしか書かれていない貼り紙をおばちゃんが指でぴんと弾いた。
「そうですか。それなら……」
諦めるしかないと踵を返した僕を、「ちょっと待って」とおばちゃんが呼び止めた。
「大将に会っていくかい?」
「は?」
「年齢制限を書いてない大将が悪いんだ。さっ、入った入った」
「えっ、ちょっ……」
腕力の強そうな太い腕が僕の貧弱な腕をぐいと掴む。
僕は引きずられるようにして店の中へと連れ込まれてしまった。