君に告げよう
永輝くんはこのまま、ずっとずっと姉さんと一緒にいるのかな。
もしも他に好きな女の子ができても、永輝くんのことだから、きっと気持ちを抑え続けるに違いない……。
夜になると僕は、チームのたまり場に毎日のように顔を出す。
チームに入ったことで、永輝くんのように少しは強い人間になれたか――。
ほんの少し開いたままでいる胸の穴は完全に埋められたか――。
その答えに、僕は「そうだ」と胸を張ることがいまだ出来ずにいる。
「12月に引退か……」
「はい。一足先にあがらせてください」
いつもの暴走コースになっている国道を走り抜け、閉店された本屋の駐車場での休憩中に、僕はユウヤさんに切り出した。
総長になったユウヤさんは、少し黙ったあと、「そうだな」と夜空を仰ぐ。
「本来なら3月だけど……永輝さんとの約束だしな」
「すみません」