君に告げよう

引退まで、あと数ヶ月。

18歳の誕生日を迎えたら引退するという永輝くんとの約束。

同期のヤツらと一緒に、3月に引退したって良かったんだけど……。



『どうせなら3月に同期のヤツらと一緒にあがりたい』

少しだけ反抗した僕に、永輝くんはポツリと呟くようにして言った。



『おまえはチームに入ったことで、穴を埋めることができたのか?』


すべてを見透かしていた永輝くんに、僕は何も言うことができなかった。

続けて永輝くんはこうも言った。



『引退式の時、おまえは同期のヤツらと同じ顔ができるのか?』

『……同じ顔って……』

『きっとあいつらは、楽しかったですって顔するだろうな。だけど遼太郎、おまえはどうだ?』


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