君に告げよう
「……ねぇ、中で食べようよ」
「えー?外の方が気持ちいいじゃない!」
「外で食ってたらカキ氷融けるよ?」
姉さんは困った顔をして、カキ氷と、外に不規則に並べられたテーブルとイスを交合に見る。
「そうね。融けてしまったら意味ないな」
フルーツも添えられているおいしそうなカキ氷を前に、姉さんは即答すると窓側のテーブルへと歩いて行った。
女ってのは分かんねぇな。
こんなクソ暑い日に、なんだって外で食べたり飲んだりするのがいいんだ?
外でランチを食べているOL風の若い女や、学校の終業式が終わって真っ直ぐ来ましたって感じの女子高生を見て、思わず呆れてしまう。
外に視線を向けたまま歩いていると、先に席に座った姉さんが「あっ!」という声を上げる。
そこで初めて前を向いた僕は、その瞬間、なにかに思い切りぶつかってしまった。