君に告げよう

永輝くんはコンビニのバイトをしながら、公務員目指して専門学校に通っていたけれど……。

公務員試験に落ちたのを機に専門学校もバイトも辞め、以前働いていた建設会社へと復帰した。


姉さんは変わらずレストランの社員。

優美ちゃんは僕が高校を卒業すると同時に、職場の上司と結婚して結崎家を出て行った。




――そして……。




「……苦労かけたな、永輝」



姉さんの兄・啓介さんが、年少から出て来た。

僕が啓介さんと顔を合わせたのはこの時が初めてで……。

出所祝いとかで酒をしこたま飲んでいた僕は、初対面だということも忘れ……。


「啓介さん、老けました?」


などと茶化し、永輝くんに思い切り殴られてしまった。


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