君に告げよう
探りを入れるようにしていろいろと聞いてくる僕に、永輝くんは少しイラついたように答えた。
こんな永輝くんを見るのも初めてだった。
「永輝くん……」
「次はなんだ?」
永輝くんを変えた『なにか』。
長い間愛用してきた香水を止めて、新しい香水を使い始めた永輝くん。
僕は喉をごくりと鳴らし、思い切って聞いた。
「……姉さん以外の……、女ができた?」
一瞬の沈黙とともに、部屋を出て行こうとした永輝くんの動きがぴたりと止まる。
「……そんなわけないだろ」
「そうなんだろ?だって永輝くん、最近変わったよ」
「別に、どこも変わっちゃねぇよ」