君に告げよう
姉さんが何を考えているのか、何をしようとしているのか、僕には知る由もなかったけれど……。
永輝くんに姉さんのことを耳に入れておくべきなんじゃないかと思った。
「なぁ、永輝くん」
「なんだ?」
「姉さんとは最近、どう?」
「どうって……、別に今までと変わらないけど」
けれど、永輝くんは僕に何も話さない。
真正面からぶつかっていっても、言葉を濁すだけ。
「こないだ姉さんに会ったんだけどさ、姉さんが……」
それでも僕は、諦めずに真正面からぶつかっていく。
本題に入ろうとした時、玄関のチャイムが鳴る。
永輝くんは無言で立ち上がり、玄関へと向かった。
まったく、誰だよ。
タイミング悪すぎるし……。