君に告げよう
「そっか。またあいつらか」
「……でも、今日はさ……、いつもと違ったんだよ」
僕は今日の昼休みのことを永輝くんと優美ちゃんに話した。
三年の先輩が出てきたこと、そして、僕が永輝くんと優美ちゃんの従兄弟であることを知ったクラスメートが真っ青な顔をしていたこと。
きっと僕は、話しながら二人のことを羨望の眼差しで見ていたんだろう。
僕の話が終わると、永輝くんは静かに笑って言った。
「――遼太郎。俺と姉貴は、四六時中おまえのそばにいるわけじゃないんだ。いざと言うときは、自分で自分の身を守れよ」
僕は聞き分けの良い子供みたいに、言い訳一つせず、こくりと頷いた。