君に告げよう
突然の訪問客に、僕は心底ムカつく。
「遼太郎。啓介さんだ」
「えっ!?」
部屋に通された啓介さんを見て、それまでだらしなくベッドに寝転がっていた僕は、ガバッと飛び起き、ベッドの上に正座した。
そして、ムカついていた相手が啓介さんであったことをひどく後悔してしまった。
「ラクにしろって」
啓介さんは顔を強張らせる僕を見て笑い、床の上に胡坐をかくと、タバコに火を点けた。
その正面に永輝くんも同じように座り、そして啓介さんと同じようにタバコに火を点ける。
深刻そうな空気に、僕はここにいていいものなのかと二人の様子を伺う。
でも二人にとって、いま僕がここにいることなどどうでもいいといった感じで……。
ベッドの上でいまだ正座している僕のほうなど見向きもしなかった。