君に告げよう
*飲み会の夜*
「……ちゃん……、遼ちゃんっ!!」
「……えっ?」
「どうしたんだい、今日は。ボケーっとしちゃってさぁ!」
「……あ、ごめん……」
永輝くんと姉さん、そして……、いまだ一度も会ったことのない柚羽さん。
三人の関係が、常に僕の頭の中を占領し続けている。
解決策も見出せないまま、時間だけがどんどん過ぎていく。
「あんたにお客さんが来てるよ」
「……客?」
「彼女かい?キレイな子だねぇ」
ピークタイムを終えて、すっかり落ち着いた【来来軒】。
おばちゃんがニヤついた顔で僕の脇腹を肘で突きながら、入り口のドアを顎で指す。
「……姉さん……」