君に告げよう
そこには、少しはにかんだ様な笑顔で立ち尽くす姉さんの姿があった。
仕事の休憩中に来たのか、姉さんは制服の上にジャケットを羽織っている。
「どうしたの?」
「……うん。ちょっと伝言」
「なに?」
「今日、飲み会するわよ」
「……えっ?飲み会?」
突然の飲みの誘いに、僕は素っ頓狂な声をあげて聞き返す。
「そう。永ちゃんと、お兄ちゃんと、遼太郎くん……。そして、あたしの四人で」
「なんで……また……」
「理由なんてないわよ。ただ、みんなで飲みたいだけよ」
嫌なメンツだった。
僕以外の三人はワケありで、笑って楽しく酒を飲むことができるのかと疑問に思った。