君に告げよう

誰が言い出した飲み会なのか?

聞くまでもない。
いま、僕を誘いに来た姉さん本人だとすぐに分かった。

飲み会と聞けば喜んですぐに誘いを受けるのに……。

いまひとつ乗り気でない僕に、姉さんが笑みを浮かべながら口を開く。



「……ウラなんて何もないわよ?ただ純粋に、みんなでお酒を飲みたいだけよ」



感情がこもっていない、棒読みに近い姉さんの言葉……。


「行けない」と、断るつもりだった。

今の状況での飲み会なんて、息が詰まるだけだったから。


だけど……。

姉さんが何を考えているのか、本当に純粋な飲み会であるのか。

僕は不安になってきて、姉さんに「分かった。行くよ」と二つ返事でOKした。


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