君に告げよう

*姉さん*



「永ちゃん」



程なくして、シャワーを浴び終えた永輝くんの彼女・かんなさんがやって来た。

ふわりと漂うシャンプーの香り。

永輝くんと優美ちゃんが使っているものと同じなのに、彼女の身体から漂ってくる匂いは全く違うものに思えた。



「ほら、かんな」

「ありがとうございます」



永輝くんの隣りに自然と座った彼女は、優美ちゃんに差し出されたジュースを一口飲んだ。



「かんな。従兄弟の遼太郎だよ」



永輝くんが紹介すると、彼女と初めて目が合った。

吸い込まれそうな大きな瞳。

ドキドキして、僕は思わず目を逸らしてしまった。


< 19 / 301 >

この作品をシェア

pagetop