君に告げよう
*姉さん*
「永ちゃん」
程なくして、シャワーを浴び終えた永輝くんの彼女・かんなさんがやって来た。
ふわりと漂うシャンプーの香り。
永輝くんと優美ちゃんが使っているものと同じなのに、彼女の身体から漂ってくる匂いは全く違うものに思えた。
「ほら、かんな」
「ありがとうございます」
永輝くんの隣りに自然と座った彼女は、優美ちゃんに差し出されたジュースを一口飲んだ。
「かんな。従兄弟の遼太郎だよ」
永輝くんが紹介すると、彼女と初めて目が合った。
吸い込まれそうな大きな瞳。
ドキドキして、僕は思わず目を逸らしてしまった。