君に告げよう

「当たり前だ、ボケ!」

「あ、でも……。永輝くんのことだから、うまくごまかして別のコンビニに行くんじゃないっスか?」

「……うーん……」



啓介さんは焼酎を一口飲み、少し考えてから口を開いた。



「そうだといいんだけどなぁ……」

「きっと別のとこに行きますよ!」



永輝くんのことだから……。

柚羽さんを守るためにも、きっと上手い言い訳をして、姉さんを別のコンビニに行くと確信していた。

仮に、姉さんが「行きたい!」と駄々をこねても、それでもきっと、別のコンビニに行くって……。



永輝くんと姉さんが帰ってくるのを、もちろん待つつもりでいた。

けれど、二人が帰ってくるのは思いのほか遅くて……。

長い時間を持て余すようにして、僕は酒を飲み続け……。

結果、情けないことに、とうとう記憶を失くしてしまうくらいダウンしてしまったんだ。

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