君に告げよう

『……遼太郎?』

「うん。永輝くん、仕事終わった?」

『あぁ』

「もうすぐ帰ってくる?」

『……いや、ちょっと……啓介さんの家に行って来る』



沈んだ永輝くんの声。


……やっぱり昨日、何かがあったんだ。

永輝くんの元バイト先に行って……、柚羽さんと鉢合わせしたとか……。



「昨日……、何かあった?」

『………』



僕の問いかけに、永輝くんは何も返さない。

息が詰まるほどの、長い沈黙。

それがどれだけ最悪な事態になっているのかを物語っている。



「……永輝くん……」

『……帰ってから話す』

< 194 / 301 >

この作品をシェア

pagetop