君に告げよう
「……帰ったら電話して。俺、家にいるから」
『……分かった』
永輝くんとの電話を終えて、僕は自分の家へと帰った。
あの様子だと、永輝くんがいつ家に帰ってくるのか分からなかったから。
少しずつ自分の家へと近づく車の中。
昨日、何かがあったんだと確信する自分と……。
ただの気のせいであると宥める自分が葛藤している。
不安で今にも押し潰されそうな気さえした。
胸のあたりがムカムカと気持ち悪いのは、二日酔いのせいだからなのか……。
かき立てられる不安のせいなのか……。
自分を落ち着かせようと、僕は何度も何度も、深い呼吸を繰り返した。