君に告げよう
*姉さんの思い*
その日の日付が変わる直前に、永輝くんから電話が来た。
僕は急いで車に乗り込み、永輝くんの家へと向かった。
「悪いな、こんなに遅く」
永輝くんの部屋。
僕の顔を見るなり、永輝くんはすまなそうにそう言った。
「気にしないでよ」と言葉を返した僕を見て、永輝くんはいつものようにフッと静かに笑ったけれど……。
それはいつもの笑い方じゃなく、無理して笑っているように見えたんだ。
「……かんなは……、全部知っていたよ」
「全部って……、柚羽さんのことも?」
「あぁ。……昨日、柚羽のいるコンビニに行ってさ……」
どうして……。
姉さんが一緒にいるのに、どうして柚羽さんが今もまだバイトしているあの店に……。
永輝くんらしくない行動に疑問を持って、僕はそのまま永輝くんにぶつけた。