君に告げよう

あの時……。

永輝くんと別れたと、姉さんから聞かされた時に……。

どうして僕は、はっきり言わなかったんだろう。


『別れたんなら、姉さんとキッパリ手を切れよ』

――ダラダラとした関係を続ける永輝くんに。



『永輝くんなんかやめて、俺にしたら?』

――少しずつ変わり始めた、姉さんに対する僕の気持ちを……。




程なくして、姉さんはレストランを辞めた。

永輝くんに対して姉さんは『警告』したんだ。


『次は許さない』――、と。


柚羽さんが傷つけられることを避けたくて、永輝くんは姉さんの警告を受け入れた。

このままじゃ、永輝くんも姉さんも、そして柚羽さんも幸せになれない。

頭では分かっているのに、どう動けばいいのか、解決策が見出せずにいた。


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