君に告げよう
そんなはずは……。
姉さんは僕の家を知らないから……。
だから僕の家で二人が会うことを勧めたんだ。
それなのにどうして、柚羽さんより先に姉さんが僕の家にいたんだ?
「しかもバスタオル姿で……。永輝もシャツが肌蹴ていてさ…」
言葉が出てこない僕に、柚羽さんは笑いながら話し続ける。
「あたし、思いっきり邪魔しちゃったわよ。二人とも胸にキスマークなんかつけてんの。もう、それはそれはビックリで……」
「そんな、まさか……」
柚羽さんと会うことになっていたのに……。
それなのに、永輝くんは姉さんを抱こうとしていたのか?
「もー、やだっ!そんな深刻そうな顔しないでよっ。あたし、もう平気だしね!」
柚羽さんは明るく笑いながら、考え込んでいる僕の背中をバシバシと何度も叩いた。