君に告げよう
*守る手*
どこに彼女を連れて行こうか……。
カラオケ?
夜景のキレイなところ?
こういう時、困るんだ。
女と付き合ったことがないから……。
適当に車を転がしていると、柚羽さんの携帯のバイブ音が鳴る。
携帯を握りしめ、画面をじっと見つめながら柚羽さんがポツリと呟く。
「……永輝……」
電話の相手は永輝くんだ。
今さら何を弁解するつもりなんだ?
一途に思い続けている彼女を、こんなにも悲しませて……。
「遼太郎くん!?」
僕は柚羽さんから携帯を奪い取ると、携帯を傷つけないよう注意を払いながら後部座席に投げ込んだ。