君に告げよう

その手は……、彼女を守るためにあるんだろう?

どんなに守ろうとしても、限界があるんだ。

力ではどうすることもできない限界が……。



「明日で柚羽とは最後にするから」



姉さんとの真相を知りたかったけれど……。

いま永輝くんに多くの疑問を投げかけるのは、とても酷なことだと思った。


永輝くんが下唇をキュッと噛みしめて……

身体の小さな震えを懸命に抑えようとしていたから――。


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