君に告げよう
「どこもおかしくないわよ?毎晩のようにあたしを抱いてくれるし、好きだと言ってくれるし。邪魔者がいなくなって幸せよ、あたしたち」
姉さんを毎晩のように抱き、好きだと言う永輝くん。
それが本心じゃないことくらい、僕にだって分かる。
同時に……。
姉さんを通して、柚羽さんを見ているんじゃないかって……。
「……もう……」
これ以上、姉さんに訴えても無理なんだろうか。
姉さんにとって、永輝くんは全ての原動力になっていて……。
「もう……ボロボロなんだよ、永輝くん……」
だけど、永輝くんは絶対に姉さんに落ちない。
永輝くんにとって、後にも先にも、一番深く愛したのは柚羽さんだけだから……。