君に告げよう
最近、金曜になると永輝くんは、毎週のように総長でもある啓介さんの家に行く。
優美ちゃんの話によれば、多数の族が所属している連合の総会長から、連合加入への話があったらしい。
それを受け入れるか否か――。
毎週金曜の夜に、副長をやっている永輝くんをはじめとした幹部クラスが啓介さんの家に集まり話し合っているらしい。
『連合、入ればいいじゃん』
僕はあっさりと言ってのけたけれど……。
『そう簡単にはいかないんだよ』
優美ちゃんも永輝くんも考え込むような顔つきで言葉を返した。
族のことなんて何も知らない僕には理解できない、深い事情があるのだろうと思った。
それきり僕は、連合のことに首を突っ込むのを止めた。
「――遼太郎くんって、無口なんだね」
「えっ?」