君に告げよう
――だから……。
姉さんと結婚とか、柚羽さんを忘れるとか、そんな早まった考えを持つなよ……。
「――生きていれば……か」
永輝くんが微かに笑いながら、ようやく口を開く。
「おまえが思っているようなバカな考えは持ってないよ」
「……えっ?」
「そうだな……。俺が望んでいる未来を待ちながら生きていくってのも悪くないかもな」
「そうだよ」
永輝くんが待ち望む未来。
それはきっと、柚羽さんと共に生きていく未来。
永輝くんはどこかスッキリしたような笑顔で僕を見ると、いつものように、僕の頭を優しく撫でた。