君に告げよう
この店に電話をかけてくる女。
姉さんしか思い浮かばなかった。
「……もしもし?」
『……遼太郎か?』
久しぶりに聞く懐かしい声、口調。
「……優美……ちゃん!?」
『あぁ。久しぶりだな』
優美ちゃんが結婚してから、全くの音信不通だった。
結崎家に顔を出すこともなくなった優美ちゃん。
「どうしたの?つか、なんで俺がここにいるって……」
『永輝から聞いていたんだ。おまえがここで働いてるって』
「そっか。だったら一度くらい顔出して……」
ガラにもなくはしゃぎながら話す僕の言葉を、優美ちゃんが遮る。