君に告げよう

『――……遼太郎。

望んでいる未来を待ちながら、生きていくってのも悪くないかもな』



……永輝くん。

なに呑気に寝てんだよ。

目を開けろよ。



「……事故だったんだ。かんなも一緒に乗ってた」

「………」

「かんなは今ICUに入っている。意識が……」



なんだよ……。

姉さんも永輝くんも……。

ワケ分かんねぇし……。



「……遼太郎!?どこ行くんだよっ?」



話している最中の優美ちゃんに背を向けて、霊安室のドアノブに手をかける。

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