君に告げよう

部屋で泣いているのか?

柚羽さんからの返答はなかった。



「……おい……」

「―――?」



柚羽さんの隣りの部屋の男が、迷惑そうな顔をしてドアの隙間から声をかけてきた。



「その部屋の子、今朝、死んだぞ」

「……えっ……?」

「ニュース見てないのか?夕刊にも載っていたぞ」



もともとニュースや新聞には目を通さない性格だったし。

それに、永輝くんの死でバタついていたからそんなもの見る余裕すらなかった。



「ベランダから落ちたんだよ」

「……ベランダから……?」

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