君に告げよう
同じ日に迎えた二人の突然の死が胸に引っかかる。
後味の悪すぎる幕引きに苛立ちだけが募る。
通夜会場に戻ると、永輝くんの親族は布団を敷いて眠りについていた。
優美ちゃんはまだ起きていて、薄明かりの中で線香をくべ続けていた。
「……おまえは悲しくないのか?」
隣りに座った僕に優美ちゃんが尋ねる。
聞かれて当然だ。僕は涙一つこぼさないし、悲観に暮れる言葉さえも発しない。
「……悲しい?ムカつくだけだよ」
「………?」
「おまえの命はこんなにもあっけないもんなのかって」
黙って僕の言葉を聞いていた優美ちゃんが、ごそごそとスカートのポケットを探り始める。