君に告げよう
葬儀が終わると、永輝くんの棺は火葬場へと運ばれた。
残された人間の気持ちなどおかまいなしに、規則正しく進められる別れの時。
突然の早すぎる死に、みんなが泣いた。
優美ちゃんでさえも泣いたし、通夜の時まで他人事のような顔をしていた伯父さんたちもさすがに泣き崩れた。
「最後にもう一度、顔を見せてほしい」
火葬炉を前にして優美ちゃんは泣きじゃくりながら、火葬場のスタッフに懇願した。
遺族の希望もあって、永輝くんの棺は釘打ちされていなかった。
ただ棺の蓋を開けるだけなのに、スタッフは困惑したような表情を浮かべる。
「……遼太郎!?」
永輝くんの棺を囲む輪の外にいた僕は無言でその中に入っていき、棺の蓋に手をかけた。
「困ります!」
スタッフが慌てて僕に駆け寄ってくる。