君に告げよう
「……永輝くん……」
僕が不安になると、いつも永輝くんは僕の頭を優しく撫でた。
その手は、今となってはピクリとも動かない。
「―――っ……」
漏れそうになる、叫びに近い泣き声を懸命に堪えた瞬間。
僕の目から涙がぽろぽろと溢れ、その雫が永輝くんの頬に落ちていく。
「……永輝っ……、永輝――!!」
優美ちゃんは棺の中に身を乗り出し、永輝くんの胸元を震える手でぎゅっと掴んだ。
「……お時間ですので……」
背後から冷静な口調でスタッフが声をかけ、僕と優美ちゃんは伯父さんたちによって棺から引き離された。