君に告げよう
永輝くんの棺が火葬炉に入れられ、伯父さんの手によって点火スイッチがいとも簡単に押される。
カチッという冷たいスイッチの音。
永輝くんが業火に包まれる瞬間。
これでもう二度と、永輝くんには会えない……。
そう思ったら、気が狂いそうなほどの悲しみが突然、僕を襲った。
どんなに泣き叫んでも、僕の命と引き換えになんてありがちな願をかけても、永輝くんが戻ってくることはない。
昨日までは……正確にいえば……さっき棺の蓋を開けるまでは……。
頭の中が真っ二つに分かれていた。
永輝くんの死を理解する自分と、理解できない自分。
けれど永輝くんの身体が無くなると思った瞬間……。
平行線を辿っていた二つが、一瞬にして一つになったんだ。
――……永輝くんは……死んだんだよ……。