君に告げよう
一人っ子の僕に、年上の兄姉を持つことなんて不可能なこと。
でも、永輝くんと優美ちゃんがその代わりになってくれているから、別にどうでも良かった。
弟や妹は……、正直、鬱陶しく思えるだろうな。
「ね、あたしの弟になってよ」
「――は?」
唐突すぎる言葉に、僕は立ち止まり、そして開いた口が塞がらなかった。
彼女は「決まり!」と言ってニヤリと笑うと、僕をその場に残したまま歩き出す。
「ちょっと待ってよ、ねぇ!かんなさんっ??」
慌てて追いかけると、彼女は歩いたまま顔だけをこちらに向けて楽しそうに言った。
「かんなさんじゃなくて、姉さんと呼びなさい」