君に告げよう
厨房を出て行くと、店の入り口に制服を着た男子高校生が一人立っていた。
そいつは、目の前のテーブルでギョウザを頬張りながらビールを喉に流し込んでいる、常連のおじちゃんたちを興味深そうに眺めている。
「……なに?」
僕はそいつに近づくと、ぶっきらぼうに声をかけた。
マジメを絵に描いたような、普通の高校生。
制服も校則通りに着こなし、髪の毛も染めていない。
僕とは全く縁のないヤツだ……。
「あ……、すみません、突然。仕事中に……」
そいつは申し訳なさそうに頭を下げる。
見ず知らずのヤツにいきなり頭を下げられるなんて変な気持ちだ。
「……ていうか、誰?」