君に告げよう
本心なんかじゃない。
ただ、そう思わないと……やってられなかったんだ。
「…んだよ、それ!柚羽さんを何だと思ってんだよ!!」
生意気にも、平凡な高校生は暴走族あがりの僕にたてついて来た。
怒りで震えるその手は僕の胸倉を掴み上げ、相当な力を入れているのか僅かに血色を失っていた。
僕はその手をいとも簡単に振りほどくと、晶を突き飛ばした。
「結婚考えてる女がいるのに、他の女に会うってことはそういうことだろ。てめぇ、バカか?」
僕は、おまえとは違う。
何も知りたくないんだ。
小さなことでも、何一つとして耳に入れたくないんだ。
「もう来んなよ」