君に告げよう
第一章

*くだらない日常*

「おい、竹島。明日までに金持って来いよ」

「………」

「何黙ってんだよ、てめぇ。『はい持ってきます』だろ?」



中学に入学してすぐ、僕はイジメの対象になった。

もともと無口だった僕の態度が、同じクラスの目立っているヤツらの癇に障ったのだろう。

自分の持ち物を隠されたり、捨てられたりするのは日常茶飯事。

時にはこうやって立ち入り禁止の学校の屋上に呼び出され、金を要求されたり、殴られたりもした。



だけど僕は、たいして腹も立たなかったし、歯向かうこともしなかった。


――くだらねぇ……。


いつもそう心の中で呟き、いきり立つヤツらを冷めた目で見ていたんだ。

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