君に告げよう
「結崎姉弟はおまえらのくだらない悪事、ずいぶん前から知ってるぞ」
一斉に僕を見たヤツらの顔は凍りついていた。
身体も硬直してしまったのか、身動きひとつしない。
「それでもおまえらに仕返しとやらをしないのはどうしてか。そして俺が、なぜ反撃しないのか。その弱い頭で考えることだな」
そう言うと、僕は窓側の一番後ろという特等席でもある自分の席に戻り、座った。
僕という最適な標的を失ったあいつらは、きっとまた次の標的を見つけるだろう。
次の標的がガラスのように脆い心を持った人間だったら、そいつの未来を奪いかねない。
そうなる前に、僕はヤツらに太い釘を刺したんだ。
もっとも……あいつらの頭で理解できるかどうかは分からないけれど。
まぁ、いいさ。
理解できなかったその時は僕が……――。