君に告げよう
「ね、結崎先輩、元気?」
僕があの結崎姉弟の従兄弟だということを知っているのは、唯一同じ小学校からこの中学に入学した茅島だけだった。
「……どっち?姉ちゃん?弟?」
「……弟…の方」
口ごもりながら永輝くんのことを聞いた茅島に、思わず僕は振り返った。
茅島が永輝くんのことを聞いてくるなんて思いもしなかったから。
茅島は真っ赤な顔をして、うつむいていた。
「なんで永輝くんのこと聞くんだよ」
「べっ、別に!」
「……好きなのか?」
ストレートに聞くと、茅島はますます赤い顔をして閉口した。