君に告げよう
「あたしたちね、別れたんだ」
「……はぁ!?」
しんと静まり返った部屋に、僕の素っ頓狂な声が響いた。
別れたことを告げた姉さんは、寂しそうな顔をするどころか笑っていて、僕はどう言葉を返していいのか分からず黙り込んでしまった。
「三日ぐらい前かな?永ちゃんから別れようって言われてさ」
「そう……なんだ」
「きっと、一時の気の迷いってヤツよ。そのうちヨリが戻ると思うしね」
「ふうん……」
「こうやって普通に会ってるし、エッチだってしてるし」
「……は?」
なんだそれ。
別れたのにエッチしてるって。
それじゃあただのセフレみたいなもんじゃないか。
思わず言いそうになってしまって、僕は慌てて口を噤んだ。