君に告げよう
*別世界*
永輝くんと姉さん――。
別れたはずの二人なのに、姉さんは以前と変わらず毎日のように永輝くんの家にやって来る。
そして、永輝くんの部屋のドア越しに聞こえる『情事の物音』。
「永輝くん、本当は姉さんと別れてないんでしょ?」
あまりにも理解できない男と女の関係。
僕はストレートに永輝くんに聞いた。
「……別れたよ」
今日もまた啓介さんの家に行くことになっている永輝くんは、鏡の前で身支度をしていた。
鏡越しにちらりと僕を見る永輝くんの視線。
どこか冷めていて、本当に姉さんを好きだったのかとさえ疑ってしまう。
「じゃあさ、なんで姉さんと……」