君に告げよう
校内でも一際目立っている三年の不良グループだった。

ボタンを全て外し、ただ羽織っているだけの学ランからは色とりどりのシャツが覗いている。

ネックレスにピアス、金髪に近い茶髪。校則なんて一切無視だ。

声をかけてきたのはリーダー格のヤツで、このあたりじゃ喧嘩が一番強くて誰も太刀打ちできないって聞いたことがある。

そいつが現れたもんだから、今まで僕を思う存分殴ったクラスメートは突然オロオロし始める。



「いや、こいつが……ちょっと……」

「ひでぇことばかりやってるんで……」



意味分かんねぇ。

『ちょっと』って何だよ。

『ひでぇこと』って、それはおまえらの方だろうが。


僕は口元を流れる血を拭いながら立ち上がり、不良グループの先頭で仁王立ちになっているリーダー格の男を見据えた。

そいつは僕の顔を見るとフッと笑い、その表情のままクラスメートの方に視線を移す。
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