君に告げよう
永輝くんから聞いたことをそのまま優美ちゃんに聞き返す。
「もう一つある……――」
「えっ……?」
優美ちゃんから語られる、ヤツらが連合から門前払いされたもう一つの理由――。
僕は、自分の頭の中が少しずつ真っ白になっていくのを感じながら、ただ黙って聞いていた。
「……ヤク中の集まり……?」
「あぁ。真っ当な族なんかじゃない。それに、人を殺めることさえも何とも思っちゃいないキレた連中なんだ。だから総会長は連合に入れなかったんだ」
「……優美ちゃん。……警察…、……警察に電話しようよ!!」
そんなヤツらのもとに、永輝くんはユウヤさんを助けるためにたった一人で行った。
ドクンドクンと鈍い音を立てる心臓を抱えながら、僕は受話器を手にする。
震える手でやっと握りしめた受話器を、優美ちゃんが力ずくで奪い取った。
「サツに電話したら……永輝も捕まるんだぞ」