君に告げよう
もちろん、母さんは反対した。
『何を言ってるの!せめて優美ちゃんが高校を卒業するまでは……』
『――おばちゃん、遼太郎のことだけを考えてあげてよ。俺には姉貴がいるけれど、今の遼太郎にはおばちゃんしかいないんだよ』
毎日のように永輝くんの家に顔を出していた僕と母さん。
僕が行くと永輝くんは快く迎えてくれたけれど、母さんが来ると、ひどく気を遣っていた。
『おばちゃんには感謝してるよ。でも……』
その言葉の続きをいつも濁しながら、永輝くんはまだ小学生だった僕の頭を優しく撫でた。
やがて、母さんは永輝くんたちに気を遣わせていることを感じ取って……。
永輝くんたちの学校の行事に顔を出すだけに止めたんだ。