君に告げよう

「…………?」



大柄な男が一人、立っていた。

見るからに永輝くんたちの仲間の一人だと分かった。

その男に気付いた永輝くんは、まだ動けない身体を何とか起こそうとしたけれど……。




「いいよ、そのままで」



男は優しくそう言いながら病室に入って来た。

その男が右手に持っていた似ても似つかない小さな花束を受け取った優美ちゃんは、そのまま病室を出て行った。

気まずい雰囲気が漂い、僕も病室を出ようとしたけれど永輝くんが止めた。



「おまえはここにいろ」

「………うん」



僕の腕をギュッと握りしめる永輝くんの左手には、これまで僕が感じたことのない強い力が込められていた。

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