君に告げよう
「――永輝。総長に報告もせずに勝手に動いたな」
「……すみません」
僕が差し出したイスに腰を下ろすなり、男は険しい表情で話を切り出した。
会話からして、永輝くんよりもこの男の方が先輩なのだと僕は悟った。
「総長は高校退学のうえ、年少入りだ」
「……自分は覚悟できています」
「そうか。……おまえの処分が決まってな。それを伝えに来た」
処分――。
その言葉と同時に、僕の心臓が鈍い音を立てた。
暴走族の世界で処分っていえば……仲間内でのリンチを意味している。
いま身動きひとつできない永輝くんの傷が癒えて退院したら、永輝くんはまた身体に傷を負うことになるんだ……。
「あの……っ…!」