君に告げよう
「次の総長は、特攻隊長の俺がやる。ただし……――」



男が少し間を置き、僕は生唾をごくりと呑み込んだ。

永輝くんは表情ひとつ変えずに、真っ直ぐに男の口元を見ていた。



「総長の代理だ」

「……えっ?」



僕と永輝くんの声が重なった瞬間、男はそれまでの険しい表情を瞬時に崩し、柔らかい笑顔を浮かべた。



「おまえの傷が完治したら、おまえが五代目の総長だ」

「ちょっと待ってよ。その前に永輝くんをボコボコにリンチするんでしょう!?」



そんなウマイ話、あるわけがない!

僕は半泣きになって男に聞き返した。



「……こいつが遼太郎か」

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