君に告げよう
歯向かう僕に、男はキレるどころか優しい目をして頭を撫でてきた。
「いいか?遼太郎」
男はまるで幼い子供を諭すようにして、身を屈めて話し始めた。
「永輝には総長になってもらって、今回みたいな事態にならないよう、しっかり取り仕切ってもらうんだ。それが俺らが下した処分だ」
「……いいんですか?それで……」
静かに口を開いた永輝くんの方を、僕と男は同時に振り返った。
「あぁ。早く傷を治して、戻って来い。みんな待ってるから」
「……りがとう…ございます……」
力なく頭を下げた永輝くんに、男は「じゃあな」と言って病室を出て行った。