君に告げよう
*仮病*
永輝くんが退院したのは、クリスマスイブの初めて雪が降った日だった。
永輝くんが病院で荷物をまとめている頃、僕は冷たい空気が充満した中学校の体育館で二学期の終業式に出ていた。
「ねぇ、竹島くん」
「……なに?」
退屈な校長の話をマジメに聞いているのは一番前のヤツらだけ。
僕や茅島みたいに後ろで立っているヤツは、先生の目を盗みながらヒソヒソと無駄話をしている。
「伊地知くん……、今日休みだって」
「……ふうん」
「葛城くんたちもよ?揃って休みなんて変じゃない?」
そういえば……。
伊地知と、葛城とその取り巻き全員が揃いも揃って欠席していた。