君に告げよう
結崎という名を耳にして、僕を一番多く殴ったクラスメートの一人の表情が一変する。



「おい、結崎って誰だよ」

「竹島の従兄弟?」



無知ってもんは本当に愚かだな。

真っ青な顔で呆然と立ちすくむ一人のクラスメートと、結崎の名を耳にしてもなお、きょとんとしているおめでたいヤツら。

僕の口元が思わず緩む。



「結崎永輝と結崎優美。まだ分からねぇか?ついでに、石塚啓介」

「――あ……!!」



三人のフルネームが出て、クラスメート全員がようやく、僕がどういう立場の人間なのか把握したようだった。



「石塚ってここの卒業生で、いま暴走族の総長やってんだろ?」

「結崎永輝も同じ族に入って、次期総長って言われてんだぜ」

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