君に告げよう
ただの偶然と言えば、偶然。
でも、おかしいと言えば……おかしい。
空席になった伊地知の席。
あいつが学校を休むことが珍しくて、僕は違和感さえも感じた。
「今日の帰り、伊地知くんの家に行ってみない?」
「は?なんで俺が……」
「ねっ?なんか…嫌な予感がするのよ」
「でも今日は……」
学校が終わったら、退院した永輝くんに会いに行きたかった。
でも、永輝くんの言葉をふと思い出した。
『葛城と対等に渡り合えるのはおまえくらいだろう?』
伊地知のことを知った永輝くんが僕に言った言葉。